介護で一番嬉しかった言葉

昨年、父が倒れて、母が実家に一人取り残され、
それからすったもんだの末に両親を施設にお願いするまでの4ヶ月間、
本っ当に!いろいろなことがありました。

その間、そりゃ辛いことだらけでしたけど、
様々な人たちの力を借りて、妹と二人、なんとか乗り越えてこられました。

でも、心が折れそうな時も一度や二度ではありません。

そんな中、一番嬉しかった言葉、救っていただいた言葉は、
一時期、母の世話をお願いしていたヘルパーさんに、
母を施設にお願いすることになったと伝えた時に、言われたことでした。

「本当に良かったですね!
私は親の介護を頑張って、親のことが大嫌いになる人たちを本当に沢山見てきたの。
早い時期に施設にお願いするという決断をして、本当に良かった。」

本当にこの言葉に救われたんです。

施設にお願いするということは、そのヘルパーさんの仕事が減るということです。
それなのに、このように言っていただけて。

親を施設にお願いすることに後ろめたさが無かったかと言われると、
そりゃ、やっぱり、ありますよ。

でも、施設にお願いしないと、私と妹の生活が壊れる。間違いなく壊れる。

以前の母なら、自分たちの生活を大切にしろと言ったはず。きっと。

でも、認知症が進み、短期記憶が保たなくなってきて、

不安で仕方ない、
24時間そばに人がいないと、不安でいてもたってもいられない、
そばの人に自分の状況を、繰り返し延々と説明してもらわないと気が済まない、

という状態になっていました。

いや、本当に辛かった。


こういう人の対応を延々としていると、すぐに耐えられなくなりますわ。
介護のプロの方って、本当にすごい。

そのヘルパーさんからは、

「介護していると、自分は親のためにこんなに頑張っているのに、全くわかってもらえない!となるんです。
そして、親が大嫌いになってしまうんです。」

とも言われました。

そうそう、まさにそれ!

介護される本人も、当たり前にできていたことができなくなって本当に辛いと思う。
どんなに家族が大変でも、自分自身が辛くて、家族のことを思うどころではなくなることもあるだろうし、
認知機能が衰えると、家族がどんな状態か、わからなくなるかもしれない。

一番近くにいる家族に当たってしまうこともあると思う。

だからこそ、介護はプロの手を借りて、
家族は家族にしかできないこと、
手続や契約、介護を受ける人の心の支えになるべきなのだと思います。

うちの場合は、みんなが笑顔で暮らすために、両親を施設にお願いしました。

両親は施設というものに偏見を持っていたので、
大丈夫か心配だったのですが、
意外となじんでくれています。

気持ちに波があるようですが、
施設のスタッフの皆さんに見守られながら、
穏やかに暮らしています。

もちろん、施設にお願いすることだけがいいと思っているのではありません。
自宅で介護サービスを受けながら過ごすのがベストという場合もあると思います。

でも、もし、施設での介護が必要な方がいて、
悩んでいるご家族がいるとすれば。

施設にお願いすることに後ろめたい気持ちを持っているのであれば。

私は、両親を施設にお願いできて、

とても良かったと思っていることをお伝えしたい。

そう思ってこの記事を書きました。

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